皆様こんにちは。「ジョークで学ぶアラビア語」第17回です。
今日はイエメンのヌクタ(ジョーク)をご紹介します。
サナア方言で書かれているので一部難しい部分があるかもしれませんが、後で単語の意味を解説しますので、まずは読んでみてください。
الأب :اين عتسير؟؟؟
!! الأبن :شاسير اتوضى
الاب: ماشالله. الله يرضى عليك, تشتي تصلي؟
الأبن : ماشي
الأب: يعني تشتي تقرأ قرأن, الله يوفقك, ياأبني
الأبن: والكل مااشي
الأب: كان للمه تشتي تتوضى !!!؟
الأبن: والله ياحج عاااااااطش
翻訳は以下のとおりです。
父:どこへ行くんだい?
息子:ウドゥー(沐浴)に行ってくるよ。
父:素晴らしい。神はお喜びだよ。礼拝がしたいんだね。
息子:違うよ。
父:じゃ、クルアーンを読みにいくのか。神はお前をお守りくださるだろう。息子よ。
息子:違うったら。
父:じゃあ、一体全体なぜウドゥーをするんだ!?
息子:だって、お父さん、すごーーく喉が渇いたんだよ!!
あんまり面白くはないけど、現実にすごくありそうな会話だな~と思いました。特にラマダン(断食月)中とか。😅
以下、各単語の説明です。
<単語>
اين عتسير؟(アイン・アツィール):どこへ行くの?
※未来を表す عَ (ア)+سار(サーラ:行く)の2人称単数形
شاسير(シャースィール):私は行く( شَ も未来を表す)
اتوضى(アタワッダー):私は沐浴する(توضأ:タワッダアの1人称単数形) ※フスハーだと أتوضأ。口語なので微妙にスペルが違うことがあります。
ماشالله(マーシャアッラー):「神がお望みになったこと」良いことに対して言う言葉。
الله يرضى عليك(アッラー・ヤルダー・アレイク):神があなたによってお喜びになる(人を褒める時の言葉)
تشتي(ティシュティ):あなたは~したい
تصلي(トゥサッリー):あなたは礼拝する
ماشي(マーシー):いいえ/違う(否定の言葉)
※エジプト方言などでは「いいね、OK」の意味ですが、イエメンでは否定の意味なので注意。
تقرأ قرأن(タグラウ・ゴルアーン):あなたはクルアーンを読む
※サナア方言では ق(カーフ)をGの音で発音します。
الله يوفقك(アッラー・ユワッファガック):神があなたを助けてくださるだろう(人を褒める時の言葉)
كان للمه(カッンリルマー):一体全体どうして
تتوضى(タタワッダー):あなたは沐浴する(フスハー:تتوضأ)
ياحج(ヤーハッジ):目上の人、年配の人に対する敬称(ここではお父さんのこと)
عاطش(アーテシュ):喉が渇いている
ウドゥ( وضؤ )は「沐浴」という日本語はちょっと違うのですが、礼拝前に口や体を清める儀式を指します。ウドゥはウドゥのままでいいのかもしれません。イスラーム独特の宗教関連の用語は翻訳することが難しいです。
それからイエメンに限らないですが、アラブ人の会話の中には神様がよく出てきます。今回出てきたような ما شاء الله(マーシャアッラー)、الله يرضي عليك(アッラーフ・ヤルダー・アレイク)、الله يوفقك(アッラーフ・ユワッファカック)など、喜びや感謝を伝える決まり文句を沢山覚えておくと役に立つと思います。