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アラブの諺:スィニンマールの報奨(جزاه جزاء سنمار)

投稿日:2018年9月15日



今日はアラブのことわざأمثال العربについて書きたいと思います。

イスラーム以前から現代にいたるまでアラブ諸国で使われている有名なことわざです。


جَزَاهُ جَزَاءَ سِنِمَّارَ

(ジャザーフ・ジャザーア・スィニンマール)

ジャザーフ(جَزَاهُ):(彼は)彼に与えた

ジャザーア(جزاءَ):褒美、報奨、報酬

スィニンマール(سنمار):建築家(4世紀ごろ)の名前です。

直訳すると「彼はスィニンマールの報奨を与えた」という意味です。

4世紀頃、ヒーラالحيرةという都市(現在のイラク南部)を支配していたヌアマーンالنعمان بن امرؤ القيسという王様がいました。

ヌアマーン王は、当時、建築家として名を馳せていたスィニンマールに城を建てるよう命じました。

スィニンマールは20年もかけてハワルナク城قصر الخورنقという、誰も見たことのないような素晴らしい城を建てます。

ところが、ヌアマーン王は完成した城を見て、スィニンマールと少し言葉を交わした後、家来に命じて城の高いところからスィニンマールを突き落とし、殺してしまいました。

さて、ヌアマーン王とスィニンマールは何を話したのでしょうか?

言い伝えによれば、スィニンマールは王様に「もっと素晴らしい城を建てることができます」と言ったそうです。

王様はスィニンマールが誰か他の王のために、これ以上すばらしい城を建てるかもしれないことをねたましく思い、彼を殺してしまったとのことです。

別の言い伝えによれば、2人の間でこんな会話が交わされたとのことです。

スィニンマール「私はそれを動かすだけで、この城を土台から崩壊させるレンガの位置を知っています」

ヌアマーン王「お前以外にその場所を知っている者はいるのか?」

スィニンマール「いいえ、私しか知りません」

ヌアマーン王、家来に向かって「あやつを殺せ」

・・・ということだそうです。

というわけで、良いことをした人に悪いことで報いることを、

「スィニンマールの報奨を与えた(جزاه جزاء سنمار)」と言います。

日本語で言うと、「恩を仇で返す」といったところですね。

人に何か良いことをしてあげたのに酷い仕打ちで返された、ということがあったら、使ってみてください。

以上、留学していた頃に習った諺でした。

-arablog,


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